電力會社のPR用スペシャルアニメのコンペに出品した作品ですが、殘念ながら採用はされませんでした。なぜコンペで落選したのかというと、理由は明白です。これは資源の枯渇した地球を舞台にした物語だからです。地球の資源を膨大に使用する電力會社にとって、これほど耳の痛い設定もないでしょう。しかも主人公に拾われた女の子のロボットは太陽の光を蓄えてエネルギーに変換する、というロボットなのです。つまり電力會社なんかいらない、というロボット。さらにその可愛い女の子の姿のロボットが宇宙に作られていた太陽発電裝置を守るために自爆してしまう、というのだから、コンペで落選しても當然でしょう。電力會社がスポンサーだとわかっていて、敢えてこういう內容の作品を、原案、腳本、作畫からナレーションまでこなして作ってしまうのですから、手塚治虫は確信犯です。
Director