日本のアニメ監督、演出家、撮影監督である。群馬県高崎市出身。別名義に小池 彰(こいけ あきら)。 育英工業高専グラフィック工学科(現・サレジオ高専)、東京写真大学短期大学部(現・東京工芸大学)写真応用科卒業。舞台写真家志望だったが、清水達正の東京アニメーションフィルム(アニメーション撮影会社)に入社し、アニメの撮影の仕事を5年ほど続けるが、一時転職してビデオ制作会社で実写のカラオケビデオ等を撮影していた時期もあった。 アニメ業界に復帰してからは、同じくアニメーション監督のやすみ哲夫に師事。制作進行を経て、演出に進出。1994年の『赤ずきんチャチャ』演出において、佐藤竜雄・桜井弘明と共に注目を浴びる。1995年の『ナースエンジェルりりかSOS』で監督デビューを果たした。1998年より放映の『おじゃる丸』で監督をつとめ代表作となる。 2015年にはかつてアニメ版の監督も務めた『こどものおもちゃ』の舞台版の脚本・演出も務めるなど、アニメ以外にも活動の場を広げている。 ハイテンションなコメディを得意とし『ナースエンジェルりりかSOS』以降どんなにシリアスなストーリーでも必ずと言っていいほどギャグ・日常描写を入れる方針を貫いている。原作モノのイメージを損なわずにアニメーションに昇華させ、音楽・効果音の有効かつ意表をついた使い方をする。山本はるきちとの仕事が多く見られる。自分が関わった作品にカメオ出演することが多い。 一方で『今、そこにいる僕』、シリアスな少女コミックを原作とした『僕等がいた』など、ギャグがほとんど皆無の繊細な作品も手掛けている。自身の監督作において、実写の映像や過去の本編の映像などを僅かに(数秒程度)挟み込んだり、新規のアニメーションと合わせて別窓で流す演出を多くとる。 ギャグテイストが主になるアニメにおいては、元になったキャラクターデザインからは考えられない、ともすれば作画崩壊とも受け取れるデフォルメを起こし、それを滑らかに動かす演出がよくみられる。これは大地が「小2に影響を受けた」と公言している赤塚不二夫の手法を模したものである。子供時代から好きであった近衛十四郎の出演映画作品の影響を深く受けており、『風まかせ月影蘭』は、近衛十四郎が主演したTV時代劇『素浪人 月影兵庫』『素浪人 花山大吉』のリスペクト作品であり、『十兵衛ちゃん』などの異色の時代劇系作品を制作している。『十兵衛ちゃん2 -シベリア柳生の逆襲-』においては、青年時代の柳生十兵衛役に、近衛の子息である目黒祐樹を声優として出演させている。他にも『妖精姫レーン』、『こどものおもちゃ』、『レジェンズ 甦る竜王伝説』ではサブタイトルの形にその名残がある。 監督にあたり声優にこだわりを見せており、大地が見出した声優としては小西寛子、安原麗子、名塚佳織、齋藤彩夏、ささきのぞみ、三森すずこなどがいる。うえだゆうじ、竹本英史、岡村明美などは作品を超えて、常連で出演していることが多い。 庵野秀明・平松禎史・林明美と交流がある。『新世紀エヴァンゲリオン シト新生』の公開時に同時上映として短編アニメを公開して以降、GAINAXのクリエイターと共同作業することが多くなり、大地監督自身もGAINAX制作の庵野(監修)アニメに絵コンテを提供している。『赤ずきんチャチャ』『はれときどきぶた』等には絵コンテ及び演出担当で参加しているが、これが“監督”作品と誤解されることが多いと語っている。 アニメーション神戸・デジタルクリエーターズアワード審査委員長を務めている。 2002年9月、自身がパーソナリティを務めるラジオ大阪系ラジオ番組『大地ラヂオ』にアニメーション監督の佐藤順一をゲストで迎えた際、「(佐藤が監督をした)『ストレンジドーン』のアフレコ現場を訪問して、佐藤監督が音響監督も兼任しているのを見て自身の作品『フルーツバスケット』では音響監督にも挑戦したがすぐに挫折した。「もう二度とやらない。」と語っていたが、『迷い猫オーバーラン!』の第4話で再び音響監督を務めている。 江口寿史・田村信とギャグ集団「E.T.T」を結成して、トークイベントなどで活動している。2005年8月には舞台劇『風まかせ けやき十四(じゅうよつ)』を初めて作・演出した。 『あたしンち』の監督を初回から第5回まで担当していたが、プロデューサーとの意見の違いで自主降板した、その次期監督には師匠であるやすみ哲夫を推薦したがその時に当然のことながら叱られたという逸話がある。因みに『あたしンち』においてやすみが監督したのは第9回なので第6回から第8回までは監督不在だった。