島根県出身のアニメーター、キャラクターデザイナー。 (日本動画→)東映動画→Aプロダクション(シンエイ動画)→テレコムアニメーションフィルム。2002年文化庁長官賞受賞。 幼い頃より絵とメカが好きで、機関車やジープを描いたスケッチブックからは到底子供のものとは思えない観察力が見て取れる。中学生時代には家出と放浪を繰り返しながら機関車のスケッチを、戦後は進駐軍のジープをスケッチしていた。アニメーターになる前の厚生省麻薬取締官時代に銃を扱っていたことから銃器にも詳しく、ルパンがワルサーP38を使うなどの設定は大塚オリジナルのもの。「ルパン三世ぴあ」には、大塚が車の描き方(パースのとり方、要領のいい描き方など)を解説した絵が掲載されており、大塚のメカ観を窺うことができる。 東映動画第一期生であり、日本のアニメ創成期から活躍し現在も気が向いたら作画するアニメの生き神様的存在。宮崎駿、小田部羊一、高畑勲らとともに日本のアニメ史の中で最も良心的な部分を支えてきた人。「アニメは動き」をモットーに、止め絵の美しさより動かすことを最優先に考える。 東映長編で多くの名作を手がけた後、Aプロに移籍。『ルパン三世』(1st)では本格的に劇画調に挑戦し(すでに『巨人の星』のOPを作画している)、以後劇場作品やTVスペシャルに至る多くのルパンシリーズに関わり、果ては自作漫画まで描くというライフワーク的な作品となる。『侍ジャイアンツ』で作画監督を務めるも、長浜忠夫と演出に対する考えが食い違い「だれかほかの人に頼んでください!」と言って降板する。(ただ、各話キャラクターデザインの作業は続けた) 旧知の仲の後輩宮崎駿に乞われ『未来少年コナン』で作監を担当し、さらに『ルパン三世カリオストロの城』でもコンビを組み、「宮崎・大塚コンビ」として知られるようになる。しかし興行成績の不振からか作品上のコンビはここで解消。 『じゃりん子チエ』(劇場版)の作画監督、『花王名人劇場・四谷怪談』の演出を務めた後はテレコムの新人教育、執筆活動、趣味のジープ関連、講演活動、作品の監修などが多くなっている。後進の指導にも熱心で、東映アニメーション研究所講師、代々木アニメーション学院顧問講師を務め、早くから台湾のアニメスタジオでの教育も行っている。ジブリの新人研修も行っている。 労働運動にも熱心で、東映動画時代は労組初代書記長を務めた。 近年まとまった作画はないが2007年のルパン三世TVスペシャルでアイキャッチを作画し話題になった。 宮崎駿によれば、仕事の最中に、逃亡・旅行に行くことが度々あったという。 大塚が顧問を務めるテレコムが制作協力を担当した「ピアノの森」では、地区予選の結果を見にいく、海、誉子、白石たちの近くのモブに、大塚によく似たベレー帽の男がいる。