日本の俳優、声優、ナレーター、司会者、ラジオDJである。本名:広川 諶次郎(ひろかわ しんじろう)。 トニー・カーティス、ロジャー・ムーア、マイケル・ホイなどの吹き替えで親しまれ、アニメ作品では『宇宙戦艦ヤマト』の古代守、『ムーミン』のスノーク、『名探偵ホームズ』のホームズなどで知られる。 東京府(現:東京都)出身。どこの事務所にも所属せず、生涯フリーランスを通した。 父親は映画会社のカメラマンだったこともあり、幼少時代に映画出演している。 東京都立文京高等学校、日本大学芸術学部演劇学科卒業。大学時代は落語研究会に所属し、講師の柳家つばめから大きな影響を受けた。大学卒業後に俳優の道へ進んだが、劇団やプロダクションには属さず、一貫してフリーで活動した。1960年代より洋画や海外ドラマの吹き替えを行うようになるが、その切っ掛けは東北新社のディレクターで大学の先輩であった小林守夫から声をかけられたからだという。以後声優としての活動が中心となる。 洋画ではロジャー・ムーア、トニー・カーティス、ロバート・レッドフォードなどを持ち役とする。アニメでは『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの古代守役や『ムーミン』のスノーク役などがある。スノークに関しては『モンティ・パイソン』でのエリック・アイドルの吹き替えと並び、納得のいく仕事だったと自負している。 全盛期にはCMナレーションを月に30〜40本務めており、加えて『おはようテレビ朝日』や『競馬中継』などのテレビ番組の司会、ラジオ番組のパーソナリティといったタレント活動も行っていた。とりわけラジオ関東の深夜放送『男たちの夜かな』では、私財をなげうち自らスポンサーとなっていた。女学生を中心に莫大な投書が寄せられ、シンナー中毒の女学生とその友人の話を聴くために自ら更生施設へ出向いたこともあったという。 1990年代後半からはナレーションを中心に活動していた。 2008年2月下旬、英映画「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」のDVD版のナレーション収録が最後の仕事となった。 2008年3月3日、癌のため東京都渋谷区の病院にて死去。69歳没。第2回声優アワードの冒頭で訃報が告げられた。 実妹は元声優兼歌手の広川あけみ。あけみの息子である甥はコナミデジタルエンタテインメント所属の作曲家の藤森崇多。 広川の死後、持ち役を引き継いだ人物は以下の通り。 落合弘治 (『お熱いのがお好き』- ジョー/ジョセフィン/ジュニア 役 ※WOWOW版追加部分のみ) 古澤徹(『スパイ大作戦』- ダグ・ロバート ※DVDの追加部分) 森川智之(『SDガンダム GGENERATION WARS』以降 - イワン・イワノフ) 星野貴紀(『チキチキマシン猛レース!』 - キザトト君)