特色 神秘的なキャラクターの他にも、少女、高貴な女性、主人公のライバル的な敵役等を演じており、『小公子セディ』(ハートル役)、映画『ドラえもん のび太の宇宙小戦争』(パピ役)では少年役も担当した。 古谷徹とは『機動戦士ガンダム』、『ヤマトよ永遠に』、『新竹取物語 1000年女王』(雪野弥生役)、『聖闘士星矢』、『美少女戦士セーラームーン』など共演が多い。古谷の口から「たくさんの作品で相手役を含めやらせていただいた」と語られている。 経歴 東洋英和女学院、日本大学芸術学部、未来劇場出身。台湾人の親を持つ。元々は内海賢二の劇団で舞台で芝居を行っていたが、内海と野村道子に誘われ、テレビ・映画への出演や声優業も行うようになる。実写ドラマでは『非情のライセンス』でデビュー。『機動戦士ガンダム』出演当時、ニューヨークで1週間の滞在期間中にブロードウェイの舞台を8本観劇。その内容にショックを受けて、自分の芝居に「もう無理!」と感じ、自分に何ができるか考えて声の仕事に専念するようになった。内海賢二と来宮良子を、育ての親と呼んでいる。 声優業では1977年の『サザエさん』でデビューし、同年の『超人戦隊バラタック』(ユリ役)が初レギュラーとなった。また同年、日本アニメーション製作の『女王陛下のプティアンジェ』(アンジェ役)で初主演した後、『機動戦士ガンダム』(ララァ・スン役)や、1980年代には『世界名作劇場』シリーズに出演する。 元祖アイドル声優として、歌手としても活動、主題歌を担当した作品もある。また、クイズ番組やドラマなどにも出演していたこともある。1980年代前半には、女性声優の人気投票で度々1位を獲得していた。 エピソード 『セーラームーン』第1作では、正義側のルナと悪役のクイン・ベリルの両方を演じていたが、連続して登場する際にとっさの切り替えが難しかったと語っている。直前に登場した役の声のまま、もう片方の役を演じてしまい、NGになったことも多いという(『セーラームーン』LD収録のインタビューにて)。当時の事を振り返り「失敗しても悔やんでいられない。でも凄く前向きな性格になれた」と語る。 古谷が演じたアムロ・レイの物真似芸人である若井おさむについて、古谷よりもアムロっぽいと述べる。 Gacktのファンであり、直接の知り合いである池田秀一に会わせてくれとねだったが、池田が難色を示したため、「あの時助けてあげたのに!」とララァ・スンがシャア・アズナブルを庇って落命したことを持ち出し、結果、池田は渋々Gacktに電話をした。 世界名作劇場 『世界名作劇場』シリーズでは、1980年の『トム・ソーヤーの冒険』(ベッキー役)が初出演となる。この『トムソーヤ』で、服部克久から「歌ってみて」と言われて挿入歌『恋するベッキー』歌ったが、それがそのままシングルとなった。その際、ポニー・キャニオンから当時所属していた青二プロダクションへ「歌手にならないか?」と誘われ、翌1981年の『家族ロビンソン漂流記 ふしぎな島のフローネ』では、声優としての出演はなかったものの、歌手として主題歌・ED曲を担うことになり、歌手活動を開始。『トムソーヤ』のベッキー役を、「自分に似て不器用なところがあり、今でもとても思い入れのあるキャラクター」と語る。 1983年には、『アルプス物語 わたしのアンネット』(アンネット役)で単独主演を果たし、主題歌・EDも担当。1986年から1988年にかけては、『愛少女ポリアンナ物語』(ナンシー役)、『愛の若草物語』(メグ役)、『小公子セディ』(ハートル役)と3年連続シリーズに出演している。このうち、『愛の若草物語』では主人公姉妹の1人を演じ、他の姉妹役声優3人と共に、キャラクターとして2代目主題歌(元々は挿入歌として作られたもの)も歌った。 このように、声優業・歌手業の双方で深い繋がりを持ったが、特に複数での担当を含めた主題歌担当歴3回は、4度の大杉久美子に次いで2番目の多さとなる。これらからシリーズの話題の際には、山田栄子、堀江美都子、中西妙子、吉田理保子らと共に、「名劇を代表する声優の1人」として名が挙がることが多い。 現在では、『世界名作劇場』のようなシリーズが放送されなくなってしまったことを「寂しい」と語り、「主題歌でもたびたびかかわってきたシリーズだったので思いいれもひときわあった」と語っている。 ララァ役 『機動戦士ガンダム』のララァ・スン役は、「重要な存在」「自身にとって大きな存在」と語り「ララァ以外の役だったらどの役をやりたい」との質問には、「やはりララァがいい」と答えている。「『ガンダム』は“舞台”だと思ってやっていた」と回想しておりララァ役を演じた際の役作りは、イセリナ役の後に期間を置いてから呼ばれ「左遷されたシャアの連れてきた女ということで、シャアのことだけは知っておけばいいという感覚だった」と語る。人物設定のバックボーンがなく、潘自身がララァの額の赤い印(ビンディ)から「インドの難民でルーレットのアテ師になろう」 と考えて演じていたとのこと。これを安彦良和に話したところ、後に『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』内でその設定が反映されて描かれている。 西洋占星術師としての活動 西洋占星術師としての顔もあり、著作も多数。潘杏蘭のペンネームで『アニメージュ』で連載していた時期もある。現在は、『ガンダムエース』誌上で占星術のコーナー(ララァの占星術占い)を掲載、アニメでは『家庭教師ヒットマンREBORN!』のおまけコーナー「来週の星座占い」の占いを受け持っている。 占いを始めたのは、以前出会った占星術師の流智明の星の話に興味を持ったことがきっかけで、流智の学校に通うようになった。弟子入り後一年経たずして、一緒に本を出すようになったとのこと。