戸谷 公次(とたに こうじ、本名:同じ、1948年7月12日 - 2006年2月6日)は、日本の男性俳優、声優、ナレーター。青二プロダクション所属。愛知県名古屋市出身。東映オーディオタレントスクール卒業。特技は野球。俳優の戸谷公人は息子。 血液型はO型。 来歴・特色 多くの文献においては、東映オーディオタレントスクール卒業後の『サイボーグ009(1979年版)』(008/ピュンマ役)がデビューとされる。しかし、実際はそれ以前に『ゲッターロボ』(1974年)、『無敵超人ザンボット3』(1977年)、『009』の前番組である『宇宙海賊キャプテンハーロック』や『無敵鋼人ダイターン3』(ともに1978年)などにも端役で出演している。 東映アニメーションおよびサンライズ制作のアニメーションで主に活躍。特に富野由悠季監督作品では『ガンダムシリーズ』を中心に、1980年代に制作された大半の作品に出演していた。同じ作品内で複数のキャラクターを兼任している例が非常に多く、時には1話で2役を任される場合も少なくなかった。主に渋い男性を担当し、善人から悪人、シリアスからギャグキャラクターやコミカルな役など、幅の広い演技が出来た。 晩年は番組ナレーションを数多く担当していたが、2006年2月6日、急性心不全に倒れ急逝。57歳没。死去の事実は、遺族の意向で正式な発表はされなかった。約半年が経過した8月、同じ事務所に所属する古谷徹が、自身のウェブサイトの掲示板において質問を受け、(遺族の了承を得た上で)それに答える形で明らかにした。彼の持ち役は、生前共演する事が多かった佐藤正治、今村直樹らが引き継いでいる。 エピソード 『聖闘士星矢』で演じた山羊座のシュラは、美形のキャラクターという役柄もあって、戸谷にファンレターまで来る人気となった。戸谷はこれに対し、「演じる前から役を自分がやっていいのか不安だった」「シュラが死んでからもファンレターが来る等、とにかく信じられないことの連続だった」と回想していた。また、「役を頂いたことを誇りに思っている」ともコメントしていた。 堀川りょうは若手時代、積極的な態度を誤解され、周囲から孤立してしまった時、佐藤正治と共に「これから皆で飲みに行くから、来るか?」と声をかけられ、それをきっかけに皆と仲良くなれたことを感謝していると語る。