「冤罪晴らしの達人」と評される辣腕弁護士。逮捕されたテンマの弁護を請け負う。父親のシュテファンはドイツ人追放で故郷を追われたドイツ系チェコ人であり、西ドイツでスパイ容疑で禁固刑を受け、1972年に獄死。そのせいで幼少期からスパイの子供として奇異な目で見られる。その後の裁判で父親の事件は冤罪と立証し、一躍時の人となる。学生時代に父親は本当に東ドイツ側のスパイだった決定的証拠を見つけ、深い苦悩を抱き、以来人を信用することが出来なくなった。また父親はボナパルタと親交があり、“赤いバラの屋敷”の実験にも関わったと思われていたが、スークと共に担当した朗読会の証人への事情聴取で父親が証人へ「虹の彼方に、きっといい所がある。」「君もこんな所から早く逃げろ」と語っていた事実を知り、真意に触れて心を救われる。後にテンマは勿論、死んだグリマーの潔白をも完全に証明した。物語の途中で妻との間の子供が生まれる。