元陸上自衛軍の軍人で、世界有数の造顔作家が手がけた美しい造形の義顔(表情を持たない割には整っているという意味であり、突出した美形という訳ではない)と、耐用年数切れながらPKF仕様の高度な完全義体を有する。<br /> 2024年、朝鮮半島新義州にPKFの一員として渡った時に遭遇した出来事によって人生に達観し、好みの情報を摂取して踊らされた結果として国が滅びたにも関わらず、その事態に無責任な難民達がクゼを落胆させる。しかし、幼少期から全身義体であったために心身の不一致に悩んでいたクゼに多大な生きる希望を与えたのも、出島に招慰される前の難民達であった。そこでクゼは、難民に対する復讐と救済として、「難民の記憶とゴーストをネット上に運び去り、ネットと融合させて新たな生命体として進化しようという思想」を構想し、それを革命という形で実行していく。<br /> その後、難民問題を悪化させるために合田が放ったウイルス“個別の11人”に感染し、元々革命の思想を持っていたため発症するが、革命の目的達成のために難民のリーダーとして行動することが最善の手段であると考えていたクゼは、“個別の11人”による難民解放という目的達成のための難民攻撃という思想が思想誘導であることに気付き、ウイルスの分離に成功する。健康体となったクゼはハブ電脳を介しておよそ300万人の難民の指導者となり、難民の支持を得るべく、出島難民居住区を日本政府に独立国として認めさせるために核武装するという壮大な構想を提起し、実行していく。<br /> 難民の記憶とゴーストをネットに運び去り強制的な進化を得るという革命は成功すれば救済となるが、失敗すれば大量殺戮となる。その場合は、かつて人生を達観した時に最も自分自身を失望させた、無責任に孤人の複合体としてネットというインフラを食い潰してきた者達への復讐としての革命となるのだと理論付けている。タチコマからは、記憶をネットに保存したところでゴーストは宿らないのではと指摘されていたが、『S.S.S.』では、タチコマ達は、クゼが難民たちの記憶を転送するはずだった可処分領域に自分たちの共有記憶を残しており、可処分領域を漂流している記憶の残滓を素子によって再構築され、タチコマ達は〝ゴースト〟を取り戻している[23]。<br /> 劇中では片仮名表記だが漢字名表記では「九世 英雄」とされる。<br /> 13話時点で、身長178cm、血液型B型となっている。<br /> 表情に拘って作ったフェイスパーツであり、顔面には神経ネットワークを定着させるためのマイクロマシンを敢えて注入しなかったため、表情筋を動かすことがほとんどできない。口はリンゴを囓る程度なら動くようである。クゼが口を動かす描写は2箇所のみであり、自決直前の移動中の会話で「頼む。誰か『個別の11人』を…」と発言した際、最終話にマイクロマシンを射たれ倒れこんだシーンである。<br /> 『東のエデン』において2011年2月14日に、羽田沖で「11発目のミサイル」が旅客機に直撃し、6歳児の男女2名を除く乗客乗員236名が死亡する大惨事が起きているが、この時に奇跡的に救出された男女2名の6歳児は、幼少時の素子とクゼである事が示唆されており[24]、搬送先の病院で死んだと幼少時のクゼが勘違いした女の子(素子)のために、左手しか動かない体で鶴を折り続けたエピソードに沿って、最期は鶴を折っている。